新築の外構は、何もない地面から作ります。リフォームは違います。
まず壊し、運び出し、処分する。 ここまでが終わって、ようやく新築と同じ状態になります。
「同じものを作るのに、なぜ新築より高いのか」という疑問の答えが、この工程です。
どこまで撤去するかで、費用が変わる
地上に見えている部分を壊すだけでは、終わらないことがあります。
| 部位 | 判断 |
|---|---|
| 塀・門柱 | 基礎まで撤去するか、地際で切るか |
| 舗装 | 表面だけか、下地の砕石まで撤去するか |
| 樹木 | 幹を切るだけか、根まで掘り出すか |
| カーポート | 柱の基礎をどうするか |
| 花壇・縁石 | 中の土をどうするか |
「後に何を作るか」で決まります。
新しく舗装するなら、地中の基礎が残っていると邪魔になります。 逆に、そこに何も作らないなら、地際で切って埋めるという判断もあります。
見積の段階で、どこまで撤去する前提かを確認してください。 ここが曖昧だと、着工後に「基礎まで撤去すると追加になります」という話になります。
古い基礎、以前の建物の残骸、埋められた廃材。出てくることがあります。
見つかった場合の扱いを、契約で決めておいてください。
廃材は種類ごとに処理する
外構の解体では、いくつもの種類の廃材が出ます。
- コンクリートがら(塀、舗装、基礎)
- 木くず(ウッドデッキ、樹木)
- 金属くず(フェンス、カーポート)
- 廃プラスチック(人工芝、波板)
- 土砂
種類ごとに処理の方法が違い、費用も変わります。 混ぜてしまうと選別の手間がかかり、処分費が上がります。
建設工事で出た廃棄物は、法律上は元請業者が排出事業者とされています。施主が処理の責任を直接負うわけではありません。
ただし、適正に処理されているかを確認する意味はあります。 極端に安い見積では、この費用が正当に計上されていない可能性があります。
古い部材に、注意が要るものがある
古いカーポートの波板やスレートには、石綿を含むものがあります。
解体や改修の工事では、石綿の含有について事前の調査が必要とされており、工作物についても対象が広がっています。
含有していた場合、処理の方法と費用が変わります。 そして工程にも影響します。
築年数の古い外構を解体する場合、業者に確認してください。 「古い波板があるが、調査は必要か」と聞くだけで十分です。
重機が入れるかどうか
解体の効率は、重機が使えるかで決まります。
- 前面道路の幅
- 敷地への出入口の広さ
- 作業できるスペース
- 隣家との距離
重機が入れない場合、手作業になります。 そのぶん日数と人手がかかり、費用が上がります。
狭小地や、奥まった位置の構造物は、この条件で費用が変わります。現地を見ないと判断できない部分です。
隣家への影響
- 音と振動が、新設の工事より大きい
- 粉塵が飛ぶ
- 廃材を運び出す車両が、集中する
- 境界の構造物を壊すとき、隣地へ破片が落ちる
- 撤去後、隣家との間に何もない期間ができる
5番目は見落とされます。 塀を撤去してから新しいものができるまで、隣家との間が開いた状態になります。
その期間がどれくらいかを、事前に伝えておいてください。 プライバシーと防犯の両面で、隣家も気にします。
仮設の柵やシートで対応できる場合もあります。相談してみてください。
撤去だけを先に行うという選択
予算や日程の都合で、撤去と新設を分けるという進め方もあります。
- 危険な塀だけ、先に撤去する
- 新設のプランが固まるまで、更地にしておく
- 補助制度の対象になる撤去を、先に済ませる
3番目は、ブロック塀の撤去で有効です。 自治体の補助制度は、着工前の申請が必要な場合が多いため、新設と一緒に進めると手続きが複雑になります。
ただし、分けると重機の搬入が2回になり、総額は上がります。 どちらを優先するかの判断です。
見積で確認すること
- 撤去の範囲(地中の基礎を含むか)
- 廃材の処分費が含まれているか
- 樹木の抜根が含まれているか
- 想定外のものが出た場合の扱い
- 撤去から新設までの期間
4番目を決めておいてください。 地中から古い構造物が出るのは珍しくありません。そのときの手順と費用の考え方を、契約に入れておくと揉めません。
※ 本記事は一般的な整理です。必要な調査や処理は、部材の種類と工事の内容によって変わります。
ブロック塀の撤去の価格の目安と施工事例は、ブロック塀工事のページでご紹介しています。
ひびや傾きがある塀を、補修で済ませるか撤去するかの判断と費用の目安は、ブロック塀のひび・傾き・欠けの修理のページでご紹介しています。
付録:本記事で使用した専門用語一覧
| 用語 | 解説 |
|---|---|
| がら | 解体で出るコンクリートやレンガなどの破片。 |
| 抜根 | 樹木の根を掘り出して取り除くこと。 |
| 排出事業者 | 廃棄物の処理責任を負う事業者。建設工事に伴う廃棄物では、法律上は元請業者がこれに当たる。 |
| 石綿 | かつて建材に使われた繊維状の鉱物。飛散すると健康への影響がある。 |
| 波板 | 波型に成形した屋根や壁の板材。カーポートなどに使われる。 |
| 地際 | 地面と接する部分。構造物をそこで切断することがある。 |
