子どもが免許を取った、車を買い替えた、来客が増えた。駐車場を増やしたいという相談は、外構リフォームで最も多いものです。
そして多くの場合、敷地の中に場所はあります。 問題は、そこまで車が入れるかどうかです。
まず、出入口を作れるか
道路から敷地へ入る場所が確保できるかが、最初の関門です。
既存の出入口を使って回り込めるなら、比較的簡単です。新しく出入口を作る場合、道路側の条件を確認する必要があります。
- 歩道や縁石を切り下げる工事が必要か
- 電柱、標識、街路樹、消火栓が正面にないか
- 道路の幅と、出入りの角度は取れるか
- 側溝をまたぐ処理が必要か
縁石や歩道の切り下げは、道路管理者の許可が必要です。 手続きに時間がかかり、指定の方法で施工することになります。思い立ってすぐできる工事ではありません。
条件によっては移設できることがありますが、関係する事業者との調整と時間が必要です。
増設を検討し始めた早い段階で相談してください。
庭を潰して駐車場にする場合
面積としては最も取りやすい方法です。ただし、いくつか確認が要ります。
| 確認すること | 理由 |
|---|---|
| 地盤が締まっているか | 庭は車の重量を想定していない |
| 樹木や花壇の撤去が要るか | 根の撤去に手間がかかる |
| 水はけがどうなるか | 舗装すると浸透しなくなる |
| 建物までの動線が変わらないか | 玄関への経路が塞がらないか |
1番目が重要です。 庭の土は、車が乗る前提で締め固められていません。そのまま舗装すると沈下します。 下地から作る必要があります。
3番目は、増設で最も見落とされます。 庭は雨を吸っていた場所です。そこを舗装すると、行き場を失った水がどこかへ流れます。
排水を、同時に見直す
増設すると、敷地の中で水を吸う面積が減ります。
これまで庭が吸っていた雨が、舗装の表面を流れるようになります。流す先を用意しないと、水たまりができるか、隣地や道路へ流れ出します。
- 既存の雨水の系統に、余裕があるか
- 桝を追加する必要があるか
- 浸透する部分を、どこかに残せるか
- 勾配をどちら向きに取るか
「駐車場を広げるだけ」と考えると、この検討が抜けます。 そして水たまりは、後から直すと舗装のやり直しになります。
既存部分との取り合い
既存の舗装に継ぎ足す場合、継ぎ目の処理が必要です。
- 高さを揃える(段差ができると、つまずく・水が溜まる)
- 目地を入れる(別々に打つと、境目で割れる)
- 色や質感の差が出る(既存は経年で変色している)
3番目は避けられません。 新しく打ったコンクリートは、既存より白く見えます。時間が経てば近づきますが、しばらくは差が出ます。
気になる場合は、目地やラインで意図的に区切るという方法があります。差を隠すより、分けて見せるほうが自然に収まります。
台数が増えると、動きも変わる
- 2台になると、切り返しの動きが変わる
- 手前の車を出さないと、奥の車が出せない配置になる
- 荷物を運ぶ経路が、車で塞がれる
- 玄関までの動線を、車をよけて通ることになる
- 増設した側の隣家に、排気や音が向く
1番目と2番目は、増設した後で気づきます。 1台のときは自由に停められた場所が、2台になると制約になります。
増設後の状態で、実際に動かす動きを図面で確認してください。 「置ける」と「使える」は違います。
5番目も配慮が要ります。 隣家の窓や庭に向かって車のお尻が向く配置は、排気と音の問題になります。向きを検討してください。
既存構造物の撤去も費用に入る
リフォームでは、壊して運び出す工程が先に入ります。
- 花壇やブロックの撤去
- 樹木の伐採と抜根
- 既存舗装の撤去
- 出た廃材の処分
2番目は、想像より手間がかかります。 地上の幹を切るだけでは終わらず、根を掘り出す必要があります。 大きな木ほど、根も広がっています。
見積の段階で、撤去と処分が含まれているかを確認してください。
※ 本記事は一般的な整理です。必要な工事と手続きは、敷地と道路の条件によって変わります。
駐車場の土間コンクリート工事は土間コンクリート・駐車場工事のページ、カーポートはカーポート工事のページで、価格の目安と施工事例をご紹介しています。
付録:本記事で使用した専門用語一覧
| 用語 | 解説 |
|---|---|
| 縁石の切り下げ | 歩道や縁石を低くして、車が敷地へ入れるようにする工事。道路管理者の許可が要る。 |
| 道路管理者 | 道路を管理する行政機関。国、都道府県、市区町村など。 |
| 抜根 | 樹木の根を掘り出して取り除くこと。 |
| 転圧 | 下地の土や砕石を締め固めること。沈下を防ぐ。 |
| 桝 | 排水を集めたり点検したりするために設ける箱状の設備。 |
| 取り合い | 異なる部材や工事が接する部分。処理が必要になりやすい。 |
