住み始めて数日で気づきます。毎日のことなので、小さな不便が積み重なります。
そして駐車場は、外構の中で最も直しにくい部分です。建物の位置が決まった時点で、使える面積は確定しているからです。
ただし、症状によっては改善できるものもあります。まず原因を切り分けてください。
症状と原因
| 症状 | 主な原因 |
|---|---|
| 何度も切り返す | 間口が狭い、前面道路が狭い、出入口の位置 |
| ドアが開けきれない | 壁や柱との距離、隣の車との間隔 |
| 車の底を擦る | 道路との段差、傾斜路の勾配 |
| 2台目が出せない | 縦列配置、切り返しの余地がない |
| 雨に濡れる | 屋根の位置と、玄関までの距離 |
| 荷物を運びにくい | 車の後ろの余裕、玄関までの動線 |
このうち、後から改善できるものと、できないものが分かれます。
直しにくいもの
建物と敷地の関係で決まっている部分は、外構だけでは変えられません。
- 敷地の間口そのもの
- 建物の位置
- 前面道路の幅
- 玄関の位置
これらが原因の場合、根本的な解決は難しくなります。 できるのは、少しでも条件を良くする調整です。
改善できる可能性があるもの
切り返しが多い
出入口の位置と幅を見直せることがあります。
- 植栽や花壇を撤去して、間口を広げる
- 舗装の範囲を、切り返しに必要な方向へ広げる
- 出入口の位置を、道路との角度が良い場所へずらす
道路の縁石を切り下げる工事が必要になる場合、道路管理者の許可が要ります。手続きと費用が伴うため、事前に確認してください。
ドアが開けきれない
カーポートの柱の位置が原因なら、簡単には動かせません。 基礎から作り直すことになります。
一方、フェンスや花壇が原因なら、撤去で改善できます。 何が邪魔しているのかを、実際に立って確認してください。
停める位置を数十センチずらすだけで解決することもあります。車止めの位置を変える、ラインを引き直す。費用のかからない対処から試してください。
車の底を擦る
傾斜路の勾配が急すぎるのが原因です。
- 傾斜を始める位置を、道路寄りへ延ばす(距離を稼ぐ)
- 傾斜の角度が変わる場所を、緩やかにする
- 段差の部分に、スロープ状の緩衝材を置く
3番目は応急的な対処ですが、効果があります。 恒久的に直すには舗装のやり直しになるため、まず試す価値があります。
雨に濡れる
カーポートの屋根を延長する、または玄関側に庇を足すという方法があります。
ただし、屋根の面積が増えると建築面積も増えます。 建ぺい率に余裕があるかを確認してください。
改修を検討するときの順序
1. 何が本当に困っているのかを、具体的にする(毎日か、たまにか)2. 原因が、動かせるものか動かせないものかを切り分ける3. 費用のかからない対処から試す(停める位置、車止め)4. 部分的な改修で改善するかを確認する5. 全面のやり直しは、最後の選択肢
1番目が意外に重要です。 「使いにくい」だけでは改善策が決まりません。どの動作が、どう不便なのかを言葉にしてください。
- 舗装を広げると、そのぶん水の行き先が変わる
- 出入口を変えると、道路との手続きが要ることがある
- 屋根を足すと、建ぺい率に影響する
- 既存の舗装を壊す費用が、新設より大きいことがある
- 植栽や構造物の撤去にも、処分の費用がかかる
1番目は重要です。 舗装の面積が増えると、雨水の行き先を作り直す必要が出ます。水たまりを新しく作らないよう、排水も同時に検討してください。
新築の段階で防ぐには
これから外構を計画する方へ。図面の上で、車を動かす動作を確認してください。
- 縮尺を合わせた車の紙を作り、平面図の上で動かす
- ドアを開ける動作を想像する
- 道路から入る角度を確認する
- 荷物を持って玄関へ歩く経路をたどる
紙の上でなら、何度でもやり直せます。 そして、この確認をしていない図面が、住んでからの不便になります。
※ 本記事は一般的な整理です。改善できる範囲は敷地の条件によって変わります。
駐車場の土間コンクリート工事の価格の目安と施工事例は、土間コンクリート・駐車場工事のページでご紹介しています。
付録:本記事で使用した専門用語一覧
| 用語 | 解説 |
|---|---|
| 間口 | 敷地や駐車スペースが道路に接している部分の幅。 |
| 切り返し | 一度で入らないとき、前進と後退を繰り返して向きを変えること。 |
| 縁石の切り下げ | 歩道や縁石を低くして、車が敷地へ入れるようにする工事。 |
| 車止め | 停車位置を決めるために設ける低い障害物。 |
| 建築面積 | 建物が敷地を覆う面積。建ぺい率の算定に使う。 |
