この記事の結論
- 挨拶は両隣・向かい・裏が最低限。着工の数日前に、期間・作業時間・音や車両が多い日・連絡先の4点を伝える。
- 苦情でいちばん多いのは工事車両と駐車。駐車場所は着工前に決めておく。
- 苦情が入ったら、まず作業を止めて話を聞く。すぐできないことは「いつまでに、こうします」と伝える。
外構工事は、敷地のいちばん外側で行われます。 建物の工事と違い、道路からすべて見えます。
そして新築の場合、これから長く付き合う近所の人が見ています。 工事は数週間で終わりますが、関係はその後も続きます。
挨拶の範囲とタイミング
両隣と、向かい、そして裏。 これが最低限です。工事車両が通る道沿いの家にも、声をかけておくと安心です。
タイミングは、着工の数日前が適切です。前日や当日では「もう決まっている話を通知された」という受け取られ方になります。
伝える内容は4点で足ります。
- 工事の期間(いつからいつまで)
- 作業する時間帯
- 音や粉塵が出る日、車両が多い日
- 連絡先
4番目が効きます。 連絡先を渡しておくと、困ったときに直接来てもらえます。役所や業者を経由せず、その場で対応できます。
業者が挨拶に回るのは通常のことですが、施主本人が一度顔を出すと、受け取られ方が違います。
これから住む人としての挨拶になるためです。
工事車両と駐車が、最も多い原因
- 前面道路が狭く、通行の妨げになる
- 隣家の車庫の出入口を、一時的に塞ぐ
- 生コン車やダンプが、決まった時間に集中する
- 資材を道路に仮置きする
- 作業員の車が、周辺に路上駐車される
2番目が最も苦情になります。 隣家が出かけようとしたときに車が出せない、という状況は一度で関係が悪くなります。
駐車場所は、着工前に決めてください。 敷地内に停められない場合、近隣の月極駐車場を借りるという選択肢もあります。「なんとかなる」で始めないでください。
3番目も避けにくい部分です。 コンクリートを打つ日は、生コン車が続けて入ります。その日が事前に分かっていれば、伝えておけます。
騒音・粉塵・振動
外構工事で音が大きくなるのは、限られた工程です。
- 既存の構造物を壊すとき(リフォームの場合)
- コンクリートを斫るとき
- 重機で掘削するとき
- 資材を搬入・搬出するとき
毎日ずっとうるさいわけではありません。 そのことを事前に伝えておくと、受け取られ方が変わります。「今週の水曜日が最も音が出ます」と分かっていれば、予定を調整できます。
粉塵は、風向きで届きます。 洗濯物や車が汚れると苦情になります。散水や養生で抑えられる部分なので、業者に確認してください。
境界に接する工事は、特に注意
塀やフェンスは、境界の近くに作ります。そのため、隣地に立ち入る必要が出ることがあります。
- 基礎を掘るときに、体が隣地側へ入る
- 塀の裏側を仕上げるのに、隣地から作業する
- 既存の塀を壊すときに、破片が隣地へ落ちる
無断で立ち入ることはできません。 事前に説明し、了解を得てください。その一手間で、後の関係が変わります。
なお、隣地の使用については民法に定めがありますが、現実には話し合いで進むのが通常です。法的な権利を主張する前に、まず相談してください。
苦情が入ったら
まず作業を止めて、話を聞いてください。 続けながら対応しようとすると、事態が悪化します。
1. 作業を止める2. 何が問題かを聞く3. その場でできる対応を行う4. できないことは、いつどうするかを伝える5. 業者と共有し、翌日以降の工程に反映する
4番目が重要です。 すべてに即応できるとは限りません。「できません」ではなく「いつまでに、こうします」と伝えると、受け取られ方が違います。
そして、同じ原因を繰り返さないでください。 一度目は事故として扱われますが、二度目は姿勢の問題として受け取られます。
入居後の工事は、条件が変わる
住み始めてから外構工事を行う場合、近隣への挨拶は「住人として」行うことになります。
工事業者としてではなく、これから隣で暮らす人としての挨拶です。説明の丁寧さが、そのまま今後の関係になります。
引渡し前に済ませるより、負担は大きくなります。 これも、外構を早めに動かしたほうがよい理由の一つです。
※ 本記事は一般的な整理です。必要な配慮は敷地の条件と周辺の状況によって変わります。
付録:本記事で使用した専門用語一覧
| 用語 | 解説 |
|---|---|
| 斫り | コンクリートなどを削ったり砕いたりする作業。騒音と振動が大きい。 |
| 生コン車 | 生のコンクリートを運搬する車両。到着後すぐに打設する必要がある。 |
| 養生 | 傷や汚れ、粉塵から保護するために、シートや板で覆うこと。 |
| 境界 | 隣の土地との境目。杭や境界標で示される。 |
| 前面道路 | 敷地が接している道路。 |
