外構の失敗は、図面を見ている段階では気づきません。 住み始めて、毎日その場所を通るようになって初めて分かります。
そして厄介なのは、後から直しにくいものほど、気づくのが遅いという点です。
直しにくいものは、地面の下にある
まずこの区別を持ってください。
| 後から足せる・直せる | 直しにくい |
|---|---|
| フェンス、目隠し、植栽 | 舗装の下の配管・配線 |
| 表札、ポスト、宅配ボックス | 擁壁、階段、土留め |
| 物置、可動式の設備 | 地面の高さと勾配 |
| 照明の器具そのもの | 屋外コンセントと照明用の電源の位置 |
右側は、直すためにいったん壊すことになります。 舗装したコンクリートを割り、掘り返し、直して、また打ち直す。最初から入れておけば安かったものが、数倍になります。
だから、外構の予算を削るときは左側から削ってください。 右側を削ると、後で高くつきます。
屋外コンセントと水栓の位置
最も多い後悔がこれです。 そして最も安く防げます。
- 高圧洗浄機を使いたい場所に、コンセントがない
- クリスマスの飾りつけや、電動工具に使う電源が届かない
- 洗車したい場所に、水栓が遠い
- 庭に水をやりたいが、ホースが届かない
必要な数と場所は、暮らし方で決まります。 図面の段階で「ここで何をするか」を想像してください。増設は、後からだと配線を通す工事になります。
あとから照明を足したくなったとき、電源が来ていないと工事が大きくなります。
器具を付けるかどうかは後で決めても、配線だけ通しておくという選択肢があります。
駐車のしにくさ
図面上は入るのに、実際には停めにくい。これも住んでから分かります。
- 切り返しの幅が足りず、何度も切り返す
- カーポートの柱があって、ドアを全開にできない
- 道路から入る角度が悪く、毎回気を使う
- 2台目が停めにくく、結局1台しか使っていない
「停められる」と「停めやすい」は違います。 図面の上で、実際に車を動かす動作を確認してください。
目隠しの過不足
足りない後悔は分かりやすいものです。道路から室内が見える、洗濯物が見られる、隣家の窓と視線が合う。
一方で、多すぎる後悔もあります。
- 圧迫感があり、庭が暗くなった
- 風が通らなくなった
- 死角ができて、防犯上かえって不安になった
- 隣家との関係がよそよそしくなった
必要なのは、全部を囲うことではなく、見られたくない方向だけを塞ぐことです。どこから見られるのかを、現地に立って確認してください。
手入れの手間
住んでから毎週向き合うことになる部分です。
- 砂利を敷いた場所に、雑草が生えてくる
- 天然芝の手入れが続かなかった
- 植栽が想像より大きくなり、剪定が必要になった
- 落ち葉が隣家へ飛ぶ
植栽は成長します。 カタログの写真は植えたときの姿で、数年後には別の大きさになります。手入れにどれだけ時間を使えるかを、正直に見積もってください。
予算配分の失敗
- 道路から見える正面に予算を集中させ、裏側が土のまま残った
- 見た目を優先し、排水と勾配を後回しにした
- 全部を一度にやろうとして、一つひとつの仕様を落とした
- 逆に削りすぎて、住んでからすぐ追加工事になった
2番目が最も高くつきます。 水はけの悪い庭は、後から直すと舗装をやり直すことになります。見えない部分の性能を、見た目のために削らないでください。
3番目と4番目は、どちらに振れても後悔します。今やるものと、住んでから足すものを最初に分けておくのが、いちばん確実な防ぎ方です。
防ぎ方は、現地に立つこと
図面だけで判断せず、実際の敷地に立って確認してください。
- 車を停める位置に立って、ドアを開ける動作をしてみる
- 玄関から道路まで歩いてみる
- 隣家や道路から、自分の家がどう見えるかを見る
- 雨の日の水の流れを見ておく
最後の項目は、雨の日にしかできません。 敷地のどこに水が溜まるかは、実際に降ったときが最も分かります。
※ 本記事は一般的な整理です。必要な仕様は敷地の条件と暮らし方によって変わります。
工事の前に、ご自宅の写真に外構を置いて完成のイメージを確かめられる外構シミュレーターもあります。
付録:本記事で使用した専門用語一覧
| 用語 | 解説 |
|---|---|
| 外構 | 建物の外まわりの工事。駐車場、アプローチ、フェンス、門柱、庭など。 |
| 屋外コンセント | 外部で使用する電源。防水仕様のものを設置する。 |
| 立水栓・散水栓 | 屋外の水道。立ち上がった形と、地面に埋める形がある。 |
| 勾配 | 水を流すためにつける傾き。 |
| 擁壁 | 高低差のある敷地で、土が崩れるのを防ぐために設ける壁。 |
| 剪定 | 植木の枝を切り、形と大きさを整える手入れ。 |
