「どれくらいで終わりますか」という質問に、外構業者は幅を持たせて答えます。 はっきり答えないように聞こえるかもしれませんが、理由があります。
外構は屋外の工事なので、天候で工程が動きます。 そして、コンクリートには乾く時間が必要です。この2つは、人を増やしても縮みません。
工期を決める4つの要素
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 工事の量 | 舗装の面積、構造物の数、掘削の量 |
| 天候 | 雨の日は作業できない工程がある |
| 養生の期間 | コンクリートが固まるまで待つ |
| 建物側の工程 | 足場が取れるまで着工できない |
1番目だけが、人員で調整できます。 残りの3つは、待つしかありません。
天候の影響
コンクリートは、雨天に打てません。 打った直後に雨が降ると、表面が荒れます。
そのため、天気予報を見ながら工程を組みます。 予定していた日に降れば、その工程は後ろへずれます。そして、後続の工程もすべてずれます。
- 梅雨や台風の時期は、工期が読みにくくなる
- 冬季は、気温が低いとコンクリートの硬化が遅れる
- 掘削は、地面がぬかるむと効率が落ちる
「何日で終わります」と断言する業者より、天候の影響を説明する業者のほうが誠実です。 断言できる工事ではありません。
養生の期間は、縮められない
コンクリートを打った後、固まるまでの期間が必要です。これを養生といいます。
この間、その場所では次の作業ができません。 人を増やしても、日数は変わりません。
引渡し直後にすぐ車を停められるとは限りません。 打設からどれくらい空けるべきかは、業者から説明があるはずです。聞いておいてください。
完成して見た目が仕上がっていても、内部はまだ強度が出ていない段階があります。
待つ期間は、工事の一部です。
建物側の工程との噛み合わせ
新築の場合、外構は建物の工事が終わらないと本格的に着工できません。
- 足場が組まれている間は、その周囲を仕上げられない
- 工事車両が出入りする間は、舗装できない
- 外部の給排水や電気の工事が終わっていないと、地面を仕上げられない
建物側が遅れると、外構もそのまま遅れます。 そして引渡し日は動かないことが多いため、外構の期間が圧縮されます。
これを避ける方法は、早めに契約しておくことです。 着工できる状態で待っていれば、建物が終わった瞬間から動けます。
縮められる部分と、縮まらない部分
| 縮められるか | |
|---|---|
| 掘削・搬出 | 人員と重機で調整できる |
| 構造物の施工 | ある程度は調整できる |
| コンクリートの養生 | 縮められない |
| 天候による中断 | 縮められない |
| 製品の納期 | 縮められない(発注のタイミングで決まる) |
最後の項目が見落とされます。 カーポートやフェンスは、発注してから届くまでに時間がかかります。契約が遅れると、製品の到着が工程を決めます。
急ぎの案件では、契約を早めることが最も効きます。 着工を早めるのではなく、製品を早く手配できる状態にするためです。
日程が厳しいときの進め方
1. 引渡し日と、入居予定日を最初に伝える2. 建物側の工程を共有する(足場が取れる時期)3. 契約を早め、製品を発注できる状態にする4. 優先順位を決める(駐車場だけ先に仕上げる、など)
4番目が現実的な手です。 全部を引渡しに間に合わせられない場合、生活に直結する部分から先に仕上げるという進め方ができます。
車を停める場所と、玄関までの通路。この2つが使えれば、生活は成立します。残りは住んでからでも構いません。
- 建物の引渡しが遅れ、外構の着工日がずれた
- 天候が続かず、コンクリート工事が後ろにずれた
- 製品の納期が想定より長く、待つことになった
- 掘ってみたら地中に既存の構造物があった
- 追加の要望が入り、その分だけ工程が延びた
最後の項目は、施主側の要因です。 工事中の変更は、そのまま工期に跳ね返ります。変更するときは、日数への影響も一緒に確認してください。
※ 本記事は一般的な整理です。必要な期間は工事の内容と敷地の条件によって変わります。
付録:本記事で使用した専門用語一覧
| 用語 | 解説 |
|---|---|
| 養生 | 施工した部分を保護すること。コンクリートでは硬化を待つ期間も指す。 |
| 打設 | コンクリートを流し込むこと。 |
| 工程 | 工事の各作業とその順序。 |
| 足場 | 建物の工事のために組む仮設の作業台。 |
| 納期 | 発注した製品が届くまでの期間。 |
| 掘削 | 地面を掘ること。 |
