外構の照明は、予算が厳しくなると最初に削られる項目です。「後から付ければいい」と考えられるためです。
半分は正しく、半分は違います。器具は後から付けられますが、電源は後から通せません。
照明には3つの役割がある
| 役割 | 何のためか |
|---|---|
| 安全 | 足元と段差を見せる。転倒を防ぐ |
| 防犯 | 暗がりをなくす。人の接近に気づく |
| 演出 | 建物と植栽の見え方を整える |
優先順位は、この順です。 演出から考えると、必要な場所が抜けます。
安全のための照明
段差と階段には、必ず光が要ります。 夜、荷物を持って帰宅したときに、段差が見えるかどうか。ここは削らないでください。
- 玄関までの階段
- アプローチと駐車場の境目
- 駐車場から玄関へ抜ける経路
- 高低差のある場所
足元を照らす照明は、上から照らすより効果があります。 段差の際に影ができないためです。
防犯のための照明
明るくすれば安全、という単純な話ではありません。
常に明るい状態は、その明るさが「普通」になります。変化がないと、人は気づきません。 一方、人が近づいたときに点灯するセンサー式は、変化そのものが合図になります。
| 特徴 | |
|---|---|
| 常時点灯 | 暗がりを作らない。電気代がかかる |
| センサー式 | 変化で気づける。点灯の範囲を絞る必要がある |
| タイマー式 | 一定時間だけ点灯。留守中も生活感が出る |
組み合わせるのが現実的です。 常時は控えめに、動きがあれば強く光る、という形になります。
道路から見える正面は、街灯や人目があります。
本当に暗いのは、建物の脇や裏です。 そこに何もないことが多くあります。
明るすぎることの弊害
- 隣家の寝室の窓に、光が入る
- 道路へ向いていて、運転者がまぶしい
- センサーの範囲が広すぎ、通行人のたびに点灯する
- 明るすぎて、庭全体が平坦に見える
- 虫が集まる
1番目と3番目が、近隣トラブルの原因になります。 特にセンサーライトは、道路に向けると通行のたびに点灯します。設置後に角度と範囲を調整してください。
光は「どこを照らすか」より「どこへ漏れるか」で問題になります。器具を選ぶときは、光が広がる角度も確認してください。
電源の位置は、先に決める
照明を後から足すとき、最も大きな障害が電源です。
舗装した後に配線を通すには、掘り返すことになります。器具の値段より、そこまでの工事のほうが高くつきます。
だから、次のように進めるのが合理的です。
1. 将来を含めて、光がほしい場所を挙げる2. その位置まで、配線と管を通しておく3. 今すぐ必要な器具だけ、先に付ける4. 残りは、住んでから足す
2番目までは、舗装の前にしかできません。 器具を付けるかどうかは後で決めても構いませんが、配線だけは先に通しておく価値があります。
同じことが屋外コンセントにも言えます。高圧洗浄機、電動工具、季節の飾りつけ。使いたい場所に電源がないという後悔は、非常に多い部分です。
ソーラー式という選択
配線が不要なソーラー式の照明もあります。後から自由に置けるのが利点です。
ただし、次の点を理解しておいてください。
- 日当たりの悪い場所では、十分に充電されない
- 冬場や雨天が続くと、点灯時間が短くなる
- 明るさは、配線式より控えめになる
補助として使うには十分ですが、安全のための照明を任せるには不安が残ります。 段差や階段は、配線式にしてください。
※ 本記事は一般的な整理です。適した器具と配置は、敷地の条件と周囲の状況によって変わります。
付録:本記事で使用した専門用語一覧
| 用語 | 解説 |
|---|---|
| フットライト | 足元を照らすために低い位置に設ける照明。 |
| センサーライト | 人の動きを検知して点灯する照明。 |
| アッパーライト | 下から上へ向けて照らす照明。樹木や壁面の演出に使う。 |
| 配管・配線 | 電気を通すための管と線。舗装の前に埋設する。 |
| 屋外コンセント | 外部で使用する電源。防水仕様のものを設置する。 |
| 光害 | 照明の光が周囲へ漏れ、迷惑になること。 |
