外構で最も「後から直せない」のが駐車場です。建物の位置が決まった時点で、残りの広さが確定します。
そして、車が入る広さと、快適に使える広さは違います。
必要なのは、車体の周囲の余裕
車のカタログに載っているのは車体の寸法です。駐車に必要なのは、その周囲を含めた広さです。
| 方向 | 何のための余裕か |
|---|---|
| 左右 | ドアを開けて乗り降りする。チャイルドシートなら大きく開く |
| 前後 | 荷物の出し入れ、人が回り込む動線 |
| 上 | 屋根を付ける場合。積載時の高さも考える |
左右が最も不足しやすい部分です。 壁やフェンスに寄せて設計すると、そちら側のドアが半分しか開きません。毎日のことなので、確実に不満になります。
チャイルドシートを使う期間は、特に広さが要ります。 子どもを抱えてドアを大きく開ける動作を、図面の上で想像してください。
前面道路の幅が、出入りを決める
見落とされやすいのがこれです。道路が狭いほど、敷地内に広さが要ります。
車を道路から敷地へ入れるとき、車は弧を描いて曲がります。道路が広ければ大きく回り込めますが、狭ければ回り切れません。その分を敷地の中で吸収することになります。
- 前面道路が狭い → 駐車スペースの間口を広く取る
- 敷地の間口が狭い → 何度も切り返すことになる
- 電柱や縁石の位置 → 出入りできる場所が限られる
電柱は動かせないと思われがちですが、条件によっては移設できることがあります。 出入口の正面にある場合は、早い段階で相談してください。手続きに時間がかかります。
台数の考え方
現在の台数だけで決めないでください。駐車場は後から広げにくいものです。
- 子どもが免許を取ったとき、2台目を置けるか
- 車を大きく買い替える可能性があるか
- 来客用に、一時的に停める場所があるか
- 自転車やバイクを置く場所は確保しているか
- 宅配や工事の車両が、短時間停まれるか
4番目が最も忘れられます。 自転車は家族の人数だけ増えます。駐車場の隅に置くことになり、結果として車の出し入れが窮屈になります。最初から自転車の場所を分けておくと、後で効きます。
並列と縦列
2台以上停める場合、配置に選択肢があります。
| 特徴 | |
|---|---|
| 並列(横に並べる) | どちらの車も自由に出せる。間口が広く要る |
| 縦列(前後に並べる) | 間口が狭くて済む。奥の車を出すには前の車を動かす |
縦列は、使う頻度に差がある場合に成立します。 毎日使う車を手前に置く前提です。両方を毎日使うなら、並列でないと生活が回りません。
舗装する範囲を決める
全面を舗装する必要はありません。タイヤが通る部分だけを舗装し、残りを砂利や芝にするという方法があります。
- 費用を抑えられる
- 雨水が地面に浸透する
- 見た目に変化が出る
ただし、掃除のしやすさと車椅子・ベビーカーの通りやすさは、全面舗装が有利です。使い方に合わせて判断してください。
図面で確認する方法
平面図に、実際の車のサイズを縮尺どおりに書き込んでみてください。 紙を切り抜いて動かすと、切り返しの動きが分かります。
そのうえで、次を確認します。
- 運転席側のドアを全開にできるか
- 車の前後を人が通れるか
- 道路から一度で入れるか
- カーポートの柱が、乗り降りの位置に来ていないか
- 玄関までの動線が、車を避けて通れるか
最後の項目が意外に効きます。 車を停めたまま玄関へ行くとき、車体の脇をすり抜けることになると、雨の日に濡れます。荷物を持っていれば、なおさら通りにくくなります。
もうひとつ、駐車場の高さにも注意してください。 道路と敷地に段差がある場合、車の底を擦らずに入れるかどうかは勾配で決まります。急な傾斜を短い距離で処理すると、車高の低い車が入れなくなります。
※ 本記事は一般的な整理です。必要な広さは車種と敷地の条件によって変わります。
駐車場の土間コンクリート工事の価格の目安と施工事例は、土間コンクリート・駐車場工事のページでご紹介しています。
付録:本記事で使用した専門用語一覧
| 用語 | 解説 |
|---|---|
| 間口 | 敷地や駐車スペースが道路に接している部分の幅。 |
| 切り返し | 一度で入らないとき、前進と後退を繰り返して向きを変えること。 |
| 前面道路 | 敷地が接している道路。幅が出入りのしやすさを左右する。 |
| 並列駐車 | 複数の車を横に並べて停める配置。 |
| 縦列駐車 | 複数の車を前後に並べて停める配置。 |
| 動線 | 人が移動する経路。 |
