外構を考え始めるのは、多くの場合家の打ち合わせが終わってからです。間取りを決め、内装を決め、最後に「そういえば外はどうしよう」となります。
この順序が、選択肢を狭めています。 外構は建物の外側にありますが、建物の位置が決まった時点で、できることの範囲が決まってしまうからです。
建物の位置が、外構の面積を決める
当たり前のようですが、見落とされます。敷地の広さは変わらないので、建物を置いた残りが外構の場所です。
- 建物を道路側に寄せれば、駐車スペースが狭くなる
- 建物を奥に寄せれば、庭が狭くなる
- 玄関の位置で、アプローチの取り方が決まる
- 駐車場の位置で、車の切り返しに要る幅が決まる
この判断は、間取りの打ち合わせの中で行われています。 そのとき外構のことを考えていないと、後から「車が入らない」「アプローチが取れない」という制約に気づきます。
車のサイズと台数は変えられません。そして駐車には、車体の寸法より広い場所が要ります。
ドアを開ける幅、切り返しに必要な奥行き。ここが足りないと、住んでから毎日困ります。
家づくりのどの段階で、何を考えるか
| 段階 | 外構で考えること |
|---|---|
| 土地を探している | 道路との高低差、間口の広さ、接道の方向 |
| 建物の配置を検討している | 駐車台数と位置、玄関の向き、隣家との関係 |
| 間取りが固まった | オープンかクローズか、動線、目隠しの要否 |
| 仕様を決めている | 外構の予算枠、給排水と電源の位置 |
| 着工〜上棟 | 外構業者への相談、現地調査 |
| 引渡し前 | 外構の契約、着工の段取り |
上の2段階が、最も効きます。 ここで決まったことは、後から動かせません。
一方、下に行くほど後から変更できます。 フェンスの色や植栽の種類は、住んでからでも足せます。焦って全部を決める必要はありません。
なぜ引渡しに間に合わないのか
新築で「入居したのに外構が土のまま」という状態がよく起きます。理由は単純で、外構は建物の工事が終わらないと本格的に着工できないからです。
工事車両が出入りし、足場が組まれている間は、地面を仕上げられません。つまり外構の工事期間は、引渡しの直前に集中します。
そこに次の要素が重なります。
- 外構の見積と契約に時間がかかる(プラン作成、修正、相見積もり)
- 業者の日程が埋まっている(引渡しの時期は集中しやすい)
- 天候で工程が動く(コンクリートは雨天に打てない)
だから、遅く動くほど間に合わなくなります。 上棟のころに相談を始めれば、余裕を持って引渡しに合わせられます。
入居後に工事すると何が起きるか
間に合わなかった場合、住みながらの工事になります。できないわけではありませんが、条件が変わります。
- 工事中、駐車場が使えない期間が発生する
- 生活動線と工事動線がぶつかる
- 荷物や車の移動が必要になる
- 近隣への影響が、住人としての立場で返ってくる
- 雨天で土のまま過ごす期間が延びる
最後の項目が地味に効きます。 舗装されていない地面は、雨のたびにぬかるみます。玄関まわりが泥だらけになる生活が、工事が終わるまで続きます。
いま何もしなくてよいわけではない
「まだ土地を探している段階だから」「間取りも決まっていないから」と後回しにされがちですが、この段階でできることがあります。
- 駐車したい台数と、車のサイズを確定させる
- 敷地と道路の高低差を見ておく
- 外構におおよそいくら使えるかを、住宅の予算の中で確保する
- 気になる外構の写真を集めておく
3番目が特に重要です。 住宅ローンの組み方によっては、外構費用を含められる場合と、そうでない場合があります。建物の契約が固まってから外構の予算を捻出しようとすると、削るしかなくなります。
※ 本記事は一般的な整理です。実際の進め方は、建築会社との契約内容や敷地の条件によって変わります。
ご自宅の写真にフェンスやカーポートなどを置いて、完成のイメージと費用の目安を試せる外構シミュレーターもあります。プランを考え始めるときの参考にどうぞ。
付録:本記事で使用した専門用語一覧
| 用語 | 解説 |
|---|---|
| 外構 | 建物の外まわりの工事。駐車場、アプローチ、フェンス、門柱、庭など。 |
| 配置図 | 敷地の中で建物がどこに建つかを示した図面。 |
| 接道 | 敷地が道路に接している状態。方向と幅が外構の計画に影響する。 |
| 間口 | 敷地が道路に接している部分の幅。 |
| アプローチ | 道路や駐車場から玄関までの通路。 |
| 上棟 | 建物の骨組みが組み上がること。工事の中盤の節目。 |
