外構工事の追加費用は、建物の工事より起きやすいという性質があります。
理由は単純で、地面の下が見えないからです。図面にも書かれておらず、掘るまで分かりません。
完全には防げません。 ただし、起きたときの手順を決めておくことはできます。
① 地中から何かが出てくる
最も多い原因です。
- 前の建物の基礎、古いコンクリート
- 使われていない配管
- 埋められた廃材やガラ
- 大きな石、岩盤
- 想定より深い軟弱な層
掘るまで分かりません。 図面にも記録が残っていないことがあります。
確率を下げる方法はあります。
- 土地の履歴を確認する(前は何が建っていたか)
- 建物の地盤調査の結果を、外構業者にも共有する
- 現地調査のときに、業者が過去の造成の跡を見る
2番目は有効です。 建物を建てるときに地盤調査を行っているはずです。その資料を渡せば、地面の状態がある程度分かります。
② 範囲が後から広がる
「ついでにここも」が積み重なる場面です。
打ち合わせの中で自然に増えていくため、施主も業者も気づきにくくなります。そして、着工後の変更は割高になります。
防ぎ方は、範囲を図面で確定させることです。 契約時の図面と、その後の変更を分けて管理してください。
変更するときは、そのつど金額と工期への影響を確認してください。「後でまとめて」にすると、総額が見えなくなります。
③ 地盤が想定と違った
舗装の下地を作るとき、地面が想定より柔らかいことがあります。
- 造成した土地で、締め固めが不十分だった
- 庭だった場所を駐車場にする(車の重量を想定していない)
- 埋め戻した部分がある
そのまま舗装すると沈下します。 追加の転圧や、地盤の入れ替えが必要になります。
防ぎ方は、事前に情報を渡すことです。造成の履歴、庭だった場所、以前に工事をした部分。分かる範囲で伝えてください。
④ 天候で工程が延びた
外構は屋外の工事なので、天候の影響を直接受けます。
雨で工程がずれること自体は、通常は追加費用になりません。問題になるのは、それによって別の費用が発生する場合です。
- 重機のリース期間が延びる
- 仮設の設置期間が延びる
- 引渡し日に間に合わず、対策が必要になる
契約で、天候による遅延の扱いを決めておいてください。 どこまでが想定内かを共有しておくと、揉めません。
⑤ 施主側の要望による変更
これは避けられるものです。
- 途中で仕様を変えたくなった
- 完成イメージと違ったので、作り直したい
- 追加でカーポートを付けたくなった
着工前に決めきることが、最大の防止策です。 そして、図面とパースをよく見てください。 疑問があれば、着工前に聞いてください。
着工後の変更は、材料の手配と工程の組み直しが伴います。 同じ内容でも、着工前より高くなります。
契約で決めておくこと
追加をゼロにはできません。起きたときの手順を先に決めておくことが、実務上の防御になります。
- 地中から想定外のものが出た場合の、報告と協議の手順
- 追加工事の単価の考え方(当初見積の単価を準用するか)
- 追加は書面で合意してから着手すること
- 工期への影響を、そのつど確認すること
- 天候による遅延の扱い
3番目が最も重要です。 現場で口頭で決めて進めると、後から請求されたときに根拠がありません。
そして、追加を求められてもその場で即答しないでください。 工事が止まっている状態は焦りますが、書面を受け取って確認する時間は取れます。
予備費を見ておく
現実的な対処として、予算に余裕を持たせておくという方法があります。
外構は地面の仕事なので、一定の割合で想定外が起こります。 見積の金額ちょうどしか用意していないと、何か出た時点で詰まります。
どれくらい見ておくべきかは、敷地の条件によります。 造成地、古い家を解体した土地、高低差のある敷地では、確率が上がります。業者に、その敷地でのリスクを聞いてください。
出たときは、写真を撮る
地中から何か出てきた場合、その状態を写真で残してもらってください。
- どこから、何が出たか
- 大きさと量
- 撤去の作業
追加費用の妥当性が後で問題になったとき、これが唯一の記録になります。撤去してしまえば、元の状態は確認できません。
※ 本記事は一般的な整理です。実際の扱いは契約内容によって変わります。
付録:本記事で使用した専門用語一覧
| 用語 | 解説 |
|---|---|
| ガラ | 解体で出るコンクリートやレンガなどの破片。地中に埋まっていることがある。 |
| 転圧 | 下地の土や砕石を締め固めること。沈下を防ぐ。 |
| 造成 | 土地の形や高さを整える工事。 |
| 埋め戻し | 掘削した部分に土を戻し、地面をならすこと。 |
| 地盤調査 | 建物を建てる前に、地面の強さを調べる調査。 |
